初心者の心

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先日ヨガスタジオFIVE ELEMENTSで行われた「縫うの時間」という

刺繍作家のMiyauchi AikoさんのWSに参加してきました。

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私は刺繍というものに取り組むのは、記憶の中では初めて。

Aikoさんの刺繍はまるで宇宙。是非サイトの作品をご覧ください→AikoちゃんのHP

繊細で大胆で自由で普遍的で。

刺繍ってこんななの!?と眼から鱗だったんです。

その日に一個仕上げて、一昨日昨日で三個、刺繍コースターが出来上がりました。

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かわいい。。。自己満足。。。

刺繍をしている間は、ただただ糸にどこに縫われたい?どっちに行きたい?といった感じで

自分が縫っているというよりただ任せるまま手を動かす、といった瞑想のような時間でとても楽しかったです。

出来上がったものは特にテーマもなく、なにかに見えるような見えないような。

そんな感じです。

この刺繍をしている時にふとある本を思い出しました。

 

それは鈴木俊隆老師という曹洞宗の僧侶の方の語った言葉を編纂した

「禅マインド・ビギナーズマインド」という本です。

老師はアメリカで曹洞宗の普及に尽力されたとても有名な方です。

ジョブズの愛読書だったと言われているそうです。

が、ジョブズの○○だった~が最近なんか沢山見受けられるので

そこのところはそうなのかもしれないし、ま~どっちゃでもいいわ、という感じで。

 

その本はビギナーズマインド、とあるように一番最初に「初心者の心」というものから始まります。

その中ではこういうことが書かれています。

 

「初心は、その中に、すべてを含んでいます。

それは、いつも豊かで、それ自体で満ち足りています。

この、それ自体で満ち足りている心の状態を失ってはいけません。

これは、心を閉ざしてしまう、という意味ではありません。

そうではなく、空の心、それゆえ、つねにどんなことも受け入れる用意がある心です。

心が空であるとき、それはどんなことも受け入れる、どんなことにも開かれている、という状態にあります。」

 

私は刺繍は全くの初心者でした。

今の時代情報にあふれていて、経験したことのないことも知っているような気になってしまうものですが

刺繍に関しては本当に真っ白。

それは元々さして好きでも嫌いでもない状態だったともいえるでしょう。

しかし、その御蔭で、まっさらの心で取り組むことができました。

それは意外とレアな経験でした。

その時の状態が、さきほど引用したような状態だったのだと思います。

それ自体で満ち足りた、そんな時間を味わうことが出来ました。

 

初心忘るるべからず、は世阿弥の言葉だそうですが、この「初心」を「初志」と思って使っている人もいるかもしれませんが

この「初心」も「初心者」の心のことです。

学べば学ぶほど、初心から遠ざかっていくと感じてしまう時もあります。

 

特に上手くなろうともせず、追及せず、ただ、縫う。

それだけの行為として、とっておきたいなあ。

刺繍は私に初心者の心を思い出させてくれる、とっても素敵な趣味になりそうです。

 

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